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  • 著者:櫻井裕一(STeam Research & Consulting 代表)

企業調査の実践解説(5) マスコミや調査会社の御用達「大宅壮一文庫」とは?



前々回に解説した「国立国会図書館」と並ぶ、プロ向けの情報収集先として「大宅壮一文庫」があります。私やチームのメンバーには、調査を目的に定期的に足を運ぶ場所が数多くあります。もちろんインターネットは重要ですが、収集した情報を分析するためには、机上での調査だけでなく、足を運んで色々な資料を収集したり、たくさんの人と話して情報を得ることが、もっとも重要なことだと思っているからです。


国立国会図書館に比べると、大宅壮一文庫の名を知る人は少ないでしょう。簡単に説明すると、大宅壮一文庫とは、評論家の大宅壮一氏が創設した雑誌専門図書館のことです。過去に出版された雑誌の記事を検索して、閲覧、複写をすることが出来る場所とイメージしていただけると分かりやすいと思います。その所蔵されている資料の数は膨大で、なんと74万点を超えます。実際のところ、企業調査において役立つ資料の数は、国立国会図書館に比べても見劣りしません。今回は、そんな大宅壮一文庫を利用した調査手法について触れてみたいと思います。


■大宅壮一文庫とは?

 ・1971年5月に財団法人として設立された雑誌専門図書館で、現在は公益財団法人大宅壮一文庫として運営されています。

 ・場所は、東京都世田谷区八幡山3-10-20にあります。

 ・独自の雑誌記事検索データベースと74万点の所蔵資料は教育活動や生涯学習などに広く活用されています。

 ・現在、年間約10万人の利用者がいると言われています。

 ・開館時間は11:00〜18:00(日曜日、祝日は休館)です。

 ・複写サービスは17:30までなので注意が必要です。

 ・入館料は500円。複写は1枚、モノクロ85円、カラー145円です。

 ・賛助会員制度もあり会員になると入館料が無料となるそうです。

 ・年会費は法人会員が1口 1万円・15口以上(15万円以上)、個人会員が1口 1千円・10口以上(1万円以上)となっています。

 ・会員になるとオンラインサービスのWeb OYA-bunko会員版が利用できます。

 ・Web OYA-bunko会員版は、雑誌記事索引検索データベースで、明治時代から最新まで539万件の雑誌記事索引が収録されています。

 ・さらにオンライン受付複写機能でファクシミリでの複写記事入手が可能となります。


■大宅壮一文庫を利用するメリット

 ・インターネットでは得られない情報を得られる可能性がある。

 ・過去の雑誌記事をほとんど網羅しているため、相当古い情報をも得ることができる。

 ・記事の内容は勿論、執筆者の名前まで分かる可能性がある。

 ・国立国会図書館は文献や業界紙などが中心のため、大宅壮一文庫と使い分けることで網羅性が保てる。


企業調査のためでなくても、その時代その時代の息吹が感じられる情報が沢山ありますので、ちょっとした時間に覗いてみることもお薦めします。

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